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オイラの夢は『ライダーズカフェ』を作る事。
気軽にコーヒーを飲みに立ち寄り、色々なスタイルでバイクに乗っている人々が気持ちよく過ごせる場所。そんな場所を密かに計画中。夢を描きながらバイクに乗り、生活しています。では、オイラのブログをお楽しみください!。



2011年10月9日日曜日

思い出はあわくせつなくて

それは、オイラがHONDA GL ウイングカスタムを購入し、バイクでの野宿旅がマイブームだった頃の話。
とりあえず、群馬に向かおうと言う事で走りだした。
確か7月か8月、暑い日だった。
群馬の前橋まで行くと美味しい食事を探してソバを食べた。
横に川が流れていて静かな谷間のそば処。
老夫婦と若いアルバイト風の女の子が店を切盛りしていた。
店内には、2〜3人のお客さん。
オイラは、店の角の川の見渡せる席に座った。
女の子が水を持って来てくれた。
『いらっしゃいませ、何にしますか?』っと来るだろうと思ったら
『どこから来たの?あのバイクなんcc?』と聞いて来た。
『400ですよ』
『大きいですね750かと思いましたw』かわいい笑顔にオイラは一目惚れした。
それから数ヶ月して、スキーのイントラをやっていた関係で群馬には良く足を運んだ。
行きと帰りには必ずその店に行っていた。
『雪焼けしたね〜』
『2週間もいれば焼けるさw』
その子の名前はNちゃん。オイラの2歳年下。
『あのさ、雪が消えたらバイクでツーリングに行こうよ』
『バイク乗ってるの?』
『うん』名前は忘れたが真っ赤なHONDAのオフ車。
身長170cmの長身の彼女で両足がやっとつくぐらいの大柄なバイクだった。
初夏に約束をして彼女と群馬の名所を走って楽しんだ。
数ヶ月間毎週オイラは群馬に通った。
滝が見たいと言ったオイラをNちゃんが案内してくれた。
ふわりの滝をめざし走っていると彼女がスピードを落とし、話かけて来た。
何を言っているのか聞こえなかった。ジェットヘルをかぶった彼女は笑いながら先を行った。走り行く時に少し悲しげな目にも見えた。
ふわりの滝の入口で彼女は手を上に上げ前方を指差した。
そのまま先に進む・・・そう直ぐにわかった。
数分進むと道の脇に細い道があった。バイクを降りてその道を徒歩で上ると言う。
『さっきなんて言ったの?』
『やっぱり聞こえなかったんだw』
『うん・・・まったくw』
木々に囲まれた細い道を歩きながらNちゃんは、前を向いたまま言った。
『あたしさ、おじいと、おばーに育ててもらって、今まで生きて来たんだ。お父さんとお母さんは、あたしの小さい時に死んじゃった。だから早くおじいと、おばーに楽してもらいたくてね』
『そうなん・・・だ』初めて聞いた話。
鈍感なオイラは、彼女が言わんとする事など全くわからなかった。
今思えば・・・オイラとの二人の関係をはっきりとさせたかったんだろう。
細い道をそのまま進むと谷の隙間から眼下にふわりの滝が見えるポイントについた。
『おおおっ、綺麗だな〜〜〜』
『ここから見た方が綺麗なんだよw』
二人で数分黙ったまま滝を見ていた。
『kazuさんは、彼女・・・付き合っている人居るの?』
『あはははw。居たらこんな所に来ないしw』いや、本当は彼女と別れたばかり。
『そうだよねw』
そんな話をしながら山道を戻った。
市道にでるとバイクが二人を待っていた。木々の間から日が差し込みバイクに当たっていた。綺麗な光景に二人で感激した事を覚えている。
それからオイラも仕事が忙しくなりNちゃんとは電話でのやり取りが続いた。
『今度はいつ来るの?』
『ん〜〜〜、仕事が忙しくて休みがなかなかとれなくて』新しく設計事務所に勤務し以前の様に休みが簡単に取れなくなっていた。
そのうちに恋の駆け引きなのか?Nちゃんからの電話が来なくなった。
オイラも意地になり自分から電話をする事も無かった。
3ヶ月ぐらいたった頃だと思う、Nちゃんから電話が入った。
『元気?なんで電話くれなかったの』
『いや・・・ん〜〜』オイラも寂しかったなんて言えなかった。
『あのね、ごめんね、あたし結婚する事になったの』頭の中が真っ白になった。
体が震えたのも覚えている。
『またまた・・・うそだろw』
『・・・・・』本当らしい。
『前にふわりの滝、言ったでしょ?』
『言ったね』
『あの時ね、kazuさんが好き!って言ったんだよ』
『んじゃ、なんで今更結婚なんだよ』オイラも自分の気持ちが抑えきれず喧嘩腰でNちゃんに気持ちをぶつけていた。
今、こうして思い出しながら文書にするだけで当時の辛さが蘇ってくる。

彼女は、あの場所で自分にお見合いの話がある事をオイラに話そうと思ったらしい。しかし、オイラの気持ちもわからず、『おめでとう、それは良かったね』と言われるのが辛くて、何もはなせなくなったらしい。
オイラが、Nちゃんにもっと気持ちを伝えていて、お互いに好きなんだと言う事がわかっていればお見合いを断るつもりだったらしい。
『そんなの、勝手だ』
『どっちが勝手なのよ』そんな会話をして泣きながらNちゃんが電話を切った。
オイラも毎日、自分を攻め、Nちゃんに対する気持ちを手紙にして送ろうとした。
しかし、今更 Nちゃんの気持ちを掻き回す事はできない。
何日か毎晩泣きあかした・・・。

Nちゃんからの手紙が来た。
オイラと初めてあって話をした事。二人でいる時間が幸せだった事。
初めて手を繋ぎ歩いた事。そしてもっと早く気持ちを伝えてほしかった事。
最後に、さよならと書いてあった。封筒にオイラのバイクとNちゃんのバイクが写った写真が入っていた。ふわりの滝の帰りに見た木漏れ日の中に寄り添うバイク。写真の上には小さな穴が空いていた。きっと画鋲で壁にとめていたんだろう。そしてオイラのバイクの上に『大好き!』と文字が書かれていた。涙が止まらなかった。

数年して友人とスキーに行く事になった。
Nちゃんのおじーとおばーが経営していた店は無くなっていた。
真新しいスーパーが立っていた。

『元気かな〜Nちゃん』いつもその道を通る度に思い出していた。

TVでふわりの滝が放送されると思い出す、オイラのあわくせつない思いででしたw。




3 件のコメント:

ケロケロ さんのコメント...

いいお話ですね〜><
男女間はちょっとしたボタンの掛け違いで大きく
運命が変わることがありますが、それも含めて
縁でしょうか。

ケロケロ さんのコメント...

今日100km位乗ってみましたが、特に回転が不安定な感じはしませんでした。
5速のギヤ抜けは相変わらずシフトダウン時に3〜4回発生しました。

kazu さんのコメント...

ケロケロさん
いやいやお恥ずかしいw。
ボタンの掛け違い・・・その通りです。
縁なんでしょうね。

回転不安定じゃなかったですか。
やはりECUの故障なんでしょうかね。
アフターやストールモ多くなった来てるんです。
5速のギア抜けは、オイラも今も起こります。
これは、問題。
たまに5速にに入ってズコーーンって抜けるときもあります。