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オイラの夢は『ライダーズカフェ』を作る事。
気軽にコーヒーを飲みに立ち寄り、色々なスタイルでバイクに乗っている人々が気持ちよく過ごせる場所。そんな場所を密かに計画中。夢を描きながらバイクに乗り、生活しています。では、オイラのブログをお楽しみください!。



2012年8月7日火曜日

毎年、夏になると思いだす。
お袋の田舎。
電車に揺られて、バスに揺られて何時間もかけてやっと到着。
バスから降りるとスイカの香りがする。
スイカ畑なんかない。
あるのは目の前の綺麗な川だけ。
巾にして5mぐらい。
『スイカの匂いがする』
『あぁ、あれは鮎の匂いだよ』
『鮎?』
川の方に歩くお袋の後について行く。
川を覗き込むお袋。
『ほら、あそこに魚がいるだろ、あれが鮎って魚』
川に魚の群れが沢山見える。
ユラユラと、サッと横に動くものもいる。
『鮎の匂いなんだ』
川のほとりに流れる涼しい風と一緒にスイカの様な香りがする。
川が綺麗な証拠らしい。
母に手を引かれて道幅4m程の砂利道を山に向けて歩く。
まわりは田んぼと山。
家なんか無い。
『この先にお母さんのお友達の家があるから、お土産を渡すから』
『おばぁの家にはまだ行かないの?』
『後で行くよ』
田んぼのあぜ道をしばらく歩くと古い大きな家が建っていた。
家の中から手ぬぐいを頭からかぶったおばさんが出て来た。
『あんらぁ〜みっちゃん!よう来たな〜』
『さっちゃん、久しぶりやな〜』お袋は、標準語を普段喋るが、
田舎に帰ると田舎の言葉になった。それが面白くてオイラは良くまねた。
話は30分はくだらない。その間、オイラは庭先をウロウロ。
『おかあさん、早くおばぁのところに行こうよ〜!』
『はいはい、さっちゃん、また来るさかい後でね』
楽しそうなお袋の顔、こんな顔するんだと思った事を覚えている。
しばらく坂道を上ると藁葺き屋根の上にトタンの板をかぶせた
古民家が見えてくる。それが祖母の家。
黒く変色した千本格子の引き違いの扉を開けると土間があり
右に五右衛門風呂の風呂場の入口、その奥に昔ながらのかまどが3つ並んでいた。
左に大広間がある。天井には大きな黒い松丸太がはしっている。
『あんりゃ〜ようきたなぁ〜はよ上がらんしゃい』
隣のトトロに出てくる、あのまんまのおばぁが奥の部屋から出てくる。
『暑かったろ〜に・・・キュウリ食べるか?』
台所の奥からキンキンに冷えたキュウリが出て来た。
毎年田舎に行くと食べさせられた。
塩か味噌を付けて食べるのだが、これがまた美味かった。
川で遊び、夜になると家の明かりに飛んでくる大きなカブトやクワガタを
飯も食わずにとって、大きな食用蛙を踏んづけたり、蛇に驚かされたり、
オイラの楽しい夏が始まる。

懐かしいあの頃の夏。
今でも、夏の始まりにはあの時の夏を思い出す。

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